視覚機能光センサーの実現とロボットビジョンへの適用
「高度好塩菌」の細胞膜から単離される紫膜は、私たちの網膜にある視物質ロドプシンと類似したタンパク質「バクテリオロドプシン(bR)」でできています。このタンパク質を電極ではさむと、光出力に対し、神経節細胞と同様な微分応答を示します。このような視覚機能光センサーをマイクロマウスロボットに適用し、全日本マイクロマウス大会で特別賞を受賞しました。
- (a)bRの光電流応答パターン例
- (b)視覚センサーを搭載したマイクロマウスロボット
(SPIE Newsroom online doi:10.1117/2.1201212.004599 (2012))
ラマン分光による高度好塩菌のタンパク質分析
ラマン分光法は、タンパク質の分子構造を調べる非常にすぐれた方法です。高度好塩菌細胞膜の構造解析を目的として、単一細胞のラマンスペクトルを測定し、細胞膜に存在するタンパク質の分布をナノスケールで調べています。
- (a)単一細胞の細胞膜ラマンスペクトル。ピークは細胞膜内に存在するバクテリオルベリンと呼ばれる「カロテノイド」のバンド
- (b)この一つを選択して強度マッピングしたラマンイメージ。
(The third Workshop on Advanced Nano and Biomaterials and their applications, Timisoara, Romania (2012.9) [invited])